訪問看護師まさこの介護全力応援日記

介護を少しでも楽に!をコンセプトに、介護に奮闘しているみなさまを一人で全力応援しています。

ちょっとひとやすみ3

生理用ナプキンは
在宅現場では褥瘡(床ずれ)などの傷の手当てに使われることがとてもよくあります。

普通のガーゼよりも
吸水性があって
安価であるからが一番の理由です。

さらに
普通の日用、多い日用、パンティーライナー…などなど
女性なら分かると思いますが、吸水量が多種多様です。

これによって傷の浸出液(傷から出てくる汁)の量に応じて生理用パッドの種類を細かく変えることができるのです。

さらにさらに
最下部がビニル素材なので、浸出液が衣服に付着するのも防げる。
まさに万能ですね。


もはや仕事中は
生理用ナプキンは傷の処置物品としてしか見えていません。

そんな万能ナプキンさんを
先日、ある訪問看護スタッフが
訪問先で使うためにデスクの上に数個そのまま置きっぱなしにしていました。

そこへ事務の女性が
「何これ!!誰がこんなのそのまんま出しっぱなしにしたの!?しまっておいてよ‼」
と言っていた。

 

その指摘に
ああ、そりゃあそうだ
と気づきました。

 

看護師としての私たちは「普通の感覚」を失いがちなのでしょう。

 

改めて考えると、

この生理用ナプキン、

まず、普通に丸ごと持ち歩きませんよね。ポーチなどに入れてカバンにしまって持ち歩くのが女性のエチケットですね。私も幼いころ母によく言われました。

それが丸ごとデスクに放置しておけるというありさま。

 

そして

傷の手当のために介護者の方によく購入を依頼するのですが

 

介護者が男性の場合

 

すごく買いづらいですよね。

男性は吸水量とか、サイズとか、なじみがなくてよくわからないと思うので

売り場でずらーっと並んだ商品をいくつか手に取って吟味することになると思います。

それは大変な苦行ですね。羞恥の極みですね。罰ゲームですね。

きっとほかのお客さんに変な目で見られるでしょう。

 

それなのに、当たり前のように「今度薬局で買ってきてくださいね~」とか

私は深く考えもせずに普段言ってしまってはいないだろうか…。

 

 

専門職にとって「普通の感覚」を持つというのは

とても大事なことだけど、

すぐに忘れてしまいがちです。

 

介護を全力で応援したいけれど、

介護をしている方たちの立場に立っていないと、

とんちんかんなメッセージになってしまう。

やもすると応援のつもりがかえって負担やただの耳障りになることもあるでしょう。

 

そういうことなのだと自分を戒めました。

 

私は介護の大変さを真には知りません。私は自宅で介護をした経験がありません。

ただ看護師として仕事をしてきたに過ぎません。 

 

「経験していないあなたにはわからないでしょう。」と言われたら返す言葉もありません。

 

ですが、

今までたくさんの介護を頑張っている人たちを見てきました。

たくさんの介護の知恵をいただいてきました。

それを、広めたい。

看護師としての知恵をひけらかすのではなく

今までいただいてきた知恵をみなさんに広めたい

そう思っています。

 

だからこそ「普通の感覚」を忘れないよう、自分に言い聞かせたいと思います。

介護を頑張っている家族の方。「申し訳ない」という気持ちにならなくていいんです。

 介護をされているみなさんは、ご家族の介護に関して、サービススタッフに「申し訳ないなあ…。」という気持ちを抱いたり、「申し訳ないね。」「ごめんね。」という言葉をかけたりした経験がありますか?

 

 

 日頃、浣腸や摘便(肛門から指を入れて便を掻き出す行為)、陰部洗浄、ストーマ装具(人工肛門の装具)の交換などなど
訪問看護師は排泄に関連した手技を行うことがとても多いです。

特に浣腸と摘便は医療行為にあたるので
訪問看護への浣腸摘便のニーズは高いです。

 

そして排泄のことなので、

 

「こんな汚いことさして悪いなあ」

「汚いことなのに、ごめんね。」

このような言葉を介護者の方からよくかけられます。


週2回 定期的に訪問していて、
毎回浣腸摘便を実施することが日常になっている方でも、そのような言葉をいつもかけてくださいます。

 

一方で看護師は
排泄に関するケアは日常的な業務ですので、
一般的にみなさんが考えるよりも
そんなに苦にしていない場合が多いのです。

 

むしろ、訪問看護師は摘便のスキルが高い人が多いので
「私の手にかかればどんな便もしっかり出してあげるわよ!」
ぐらいに思っている人が多いと思います。

 

かくゆうわたくしも、浣腸と摘便の手技には自信を持っております。笑

プライドを持っているといっても良いくらいです。

 

そして排泄こそ人間にとってなくてはならない大事な行為です。

それを支えているのは自分だという自負が訪問看護師にはあります。

 

 

他の職種のサービススタッフの方々も同じではないでしょうか。

自分たちの専門分野に自信と誇りを持って、利用者さんとその家族に接しています。

 

 

この記事で何が伝えたいかといいますと。

 

介護に携わる仕事は、大変なこと、汚いことが多いなどと思われがちです。

でもそれに携わる私たちは、実質的なケアの大変さ、汚いことが多くて大変でどうこうとかの問題ではなく、

利用者さん本人の生活全体を支えたい、生活全体の質を高めたいという気持ちで携わっているのです。

それを実現するための実際的なケアの中の一つが大変だったり汚いものだったりするだけで、それだけを大げさに気にする必要は全くありません。

 

 

みなさんに介入しているサービススタッフは、さまざまなケアを実施することを

そんなに大変なことと思っていません。

プロですから、慣れています。仕事ですから、当然です。

自分の身内ではありませんから、精神的な負担はありません。

家族のような繋がりやしがらみはありませんので、ケアを遂行することに集中でき、専門技術を活用して完璧にこなすことができます。

だからこそ、任せたほうがよいのです。

精神的にも任せましょう。

介護力があるご家族は自分たちでいろいろとやれてしまうので、できるならやらなくては、

と思いがちですね。

そうではないんです。

 

申し訳ないという言葉の背景には、「こんな大変なこと(排泄のケアなど)、本当は家族である自分がやらなくちゃいけないのになあ…。」という思いがあるのではないでしょうか?

 

 

「自分たち家族がやらなくていけないという考えを捨てる」

これはこの記事にも私が書いていますが、↓

 

kaigozenryoku-masako.hatenadiary.com

 

 

私が介護者のみなさまに声を大にして言いたいことの一つです。

 

関わっているサービススタッフは、申し訳なさを表現されるよりも

気持ちよく任せてもらえたほうがうれしいです。

プロとして信頼されているなと思うし、なおさら期待に応えなきゃという気持ちにもなり、やる気が出ますよ。

 

冒頭に取り上げている浣腸摘便の場合ですと、

私なら「今日もどっさりよろしくね!期待してるよ!」ぐらいの言葉のほうが

やる気が湧いてきます。

 

 

どうか、どーんとスタッフに任せる姿勢を持ってください。

「申し訳ないね」という言葉は不要です。

 

ちょっとひとやすみ2

 先日、他のスタッフが私に声をかけてきました。

「まさこさんさ、Aさん(利用者さん)のとこ行った時の看護記録に
月曜日ハムサンド、火曜日サラダサンド、水曜日ポテトサラダサンド…
みたいなこと書いてたでしょ~
あれ見て何これー?って笑えてきちゃって
私今日Aさんとこ行ってそれ喋ったの。
そしたらAさんも、まさこさんそんなことまで書いてるのーーー??って笑ってたよ~。
そんで今日も喫茶店のモーニングの話うれしそうにしてくれたよ。」


というのも
私は先週Aさんの訪問に行きました。
Aさんが病気になる前に足しげく通っていた喫茶店のモーニングの話になり、私は相槌を打ちながら
モーニングのメニューを看護記録にメモしたのです。


看護記録は手書き、複写になっており一枚は利用者宅、一枚はステーションに保管されます。

そこに書かれた私の何気ないメモでひと笑いしてもらえたようです。

 


Aさんはほぼ毎日近所の喫茶店のモーニングに行っていました。
一年前まで。
急に難病を発症し現在は要介護5。
車椅子乗車は可能ですが、
今は外出の意欲は減退
というか消失しています。

 


月曜日ハムサンド
火曜日サラダサンド
水曜日ポテトサラダサンド
木曜日定休日
金曜日ポテトサラダサンド


なんで金曜日にまたポテトサラダサンドなんですか?水曜とかぶってますよ。

 

それはアンタよく考えてみなさい。人気だからだわ。
ポテトサラダは腹がいっぱいになるからみんな好きなの。

 

ほお~なるほど~

 


こんな会話をAさんとしました。

Aさんはすごくうれしそうな顔をされていました。


こういうやりとりが増えれば、またモーニング行きたいって思ってくれるかな。
看護記録に書いておいたら他のスタッフとも話題になるかな。
コミュニケーションのきっかけになったりするかな。


決して「何気なく」ではなく書いたのです。

意図的に書いたのです。

 

でもそんなこと言うのはカッコつけすぎてる気もするのでここに書いて自己満足とさせてください。

 


(そもそも訪問の看護記録にこんなこと書いていいのかどうかの議論は置いといてくださいね。)


これからも私は、こんなことを看護記録の隅っこのほうに書いていきます。

 

定期受診に行くのが大変…。そんな時の工夫

 移動や移乗に介助が必要な家族を、病院に連れて行くのってすごく大変ですよね。介護度が高ければ高いほど至難の技…。

 

朝早くから準備して、食事を済ませて着替えさせ、出発間際におむつの交換、などなど

いろいろと急いで段取りをして、

自家用車になんとか乗り込んでやっと病院に到着。

診察券を通したころには、だいぶ後ろのほうの番号で、ここからの診察待ち時間が長いこと長いこと…。

診察そのものは5分程度で済むのにそれから薬の処方を待って、会計を待って、

ようやく帰宅した頃にはとっくに昼も済んで夕方に差し掛かっている…。

 

本当に大変でとても疲れるという声をたくさん耳にします。

 

これはなんとかならないものか。

これに対して、 

私が考える対処法は大きく分けて二つあります。

 

①受診行動という外出そのものの頻度を少なくする方法

②受診行動の大変さを軽減する方法

です。

 

それぞれについて提案していきますね。

 

 

①受診行動という外出そのものの頻度を少なくする方法

 

①-1、受診している科の診察曜日や受診頻度を揃えて、病院に行く回数を減らす

 

高齢の方だと、複数の科を受診している場合が多いですよね。

内科、整形外科、泌尿器科、ついでに今月は皮膚科もかかろうかな…

なんてよくありますよね。

そして科によって受診する曜日や受診頻度が違うということがよくあると思います。

それを思い切って揃えるという方法です。

 

揃えるといってもどういうふうに考えていいか難しいと思いますので、

具体的な決め方をお伝えします。

以下の基準でどの科の曜日や頻度に揃えるか考えてみてください。

 

・主病名は何か?それは何科か?

・かかっているのが専門の科で主治医がその曜日にしかいないという科はどれか?

・日常生活で一番気がかりの症状は何科の症状か?

・絶対に大事と言われている内服薬は何科のものか?

・一番信頼できる、話しやすい医師は何科の先生か?

 

これらの判断基準で考えて

この科の曜日や頻度に揃えよう‼

と思ったら

その他の各科を受診した際に、医師に

「受診に来るのが大変なので◯◯科と受診曜日や頻度を合わせたいと考えている。先生の意見を聞きたい。」

という旨を伝えてみましょう。

対応可能ならそのように、

対応が難しいならその理由の説明があると思います。

 

曜日が変わることで担当医師が変わってしまうことがよくありますが、

受診に来る大変さと天秤にかけて

妥協できるのであれば妥協しちゃいましょう。

 

また、けっこうあるのが

科によって行く病院が違うというケース。

これも思いきって揃えられるなら一つの病院にしてしまいましょう。

 

しかし揃えるのが難しいケースもあります。

たとえば

かかりつけの近所の整形外科で数十年前から関節の痛み止めの飲み薬&関節の注射もしてもらっていて

数年前に発症した血液内科疾患で大学病院に月に一度かかっており、専門的な治療薬をもらっている

なんて場合です。

 

この場合は双方に合わせる余地がないほど畑違いなので

現実的には合わせられませんよね。

 

こういったことも多くあると思いますので、

個々の受診状況で考えてみてくださいね。

 

 

①-2、「訪問診療」に切り変えて受診行動そのものをなくす方法

 

 医師が自宅に診察に来てくれる

「訪問診療」というものが存在します。

大学病院や急性期病院で対応していることは少なく、

主に中規模病院や個人医院、いわゆる町医者などが対応しているかと思います。

 

まず、かかっている病院が「訪問診療」というものをやっているのか確認しましょう。

そしてやっているなら、医師に通院が困難になってきた旨を相談してみましょう。

「訪問診療」をお願いできないか相談してみましょう。言いにくければまず外来看護師に相談してもよいでしょう。

 

なお、病院それぞれで「訪問診療」の対象となる条件が決まっています。

病院側で検討のうえ返答が来るでしょう。

 

しかし注意しておきたいことがあります。

「訪問診療」は、やっているけど

「往診」は、やっていない

というケースがあることです。

双方の違いを簡単に説明しますと、

 

「訪問診療」→あらかじめ予定して定期的に医師が診察に行くこと

「往診」→本人、家族の要請に応じて緊急的に医師が診察に行くこと

 

私が属している中規模病院はまさにこれに該当します。

「訪問診療」はやっているけど「往診」はしていないのです。

それを家族に伝えると「来てほしい時に来てくれないなら意味がないなあ。」

といって両方とも対応してくれる地域の個人病院を紹介したこともあります。

 

他にも考慮しておいてもらいたいのは、

先生が訪問診療してくれたあと、処方薬を薬局にもらいに行かなくてはならないということ。

訪問診療費や交通費として別途お金がかかること。

 

などです。

 

個々の状況で考えてみてくださいね。

 

②受診行動の大変さを軽減する方法

 

 受診に行くときにはなんといっても移乗や移動が大変ですよね。

それを少しでも楽にする方法が2パターンがあります。

 

1つは、受診時の朝、ヘルパーさんに身体介護としてサービスに入ってもらう方法です。ベットから車椅子への移乗を手伝ってもらうことがメインです。時間に余裕があれば多少の身支度は手伝ってもらえるかもしれません。

これについてはまずケアマネージャーさんに相談してみましょう。

 

2つ目は、自治体の「福祉車両の貸し出し」という事業を活用することです。

自治体の広報誌や回覧板などでこのような事業の案内を見かけたことはありませんか?

福祉車両とは車いすのまま乗り降りできる車両のことです。

自家用車だと車いすから座席に移乗するのがとても大変な場合は、役立ちますよ。

 

一回につき貸し出し料金がかかることもあれば無料のこともあります。

あらかじめ受診日がわかっている場合は事前に電話で予約しておくとよいでしょう。

自治体によってどのようなしくみで貸し出しを行っているかは違うので

一度問い合わせてみることをお勧めします。

 

 

 

以上が少しでも受診の負担を軽くするための工夫でした。

またいろいろと学んだり、思いついたら追記していきますね。

 

ちょっとひとやすみ1

 訪問先で思ったこと

ある利用者さん(寝たきりで要介護5)のお部屋には

その方がデイサービスで作った作品(正しく言うと自分では作れないと思うのでスタッフが作ったと思われるもの)や

その方の写真

その方の好きな演歌歌手のポスター

 

などなどいろいろなものが飾ってある。

たまにテレビやAMラジオが付いていることもある。

少しでも刺激になればと思って家族が付けているとのこと。

 

そのような部屋を見たり、話を聞いたりすると

家族の、その方への愛情を感じる。

 

 

一方で、最近は思うことがある。

もっと介護者にとって楽しくなるような環境の作り方をしてもよいのではないか。

 

介護者が少しでも気持ちよく介護できるよう、

介護者の趣味が活かされた装飾品や、写真を貼ったりする

壁掛けカレンダーも思いっきり華やかでかわいらしいものにしてみるとか

それと

介護者が好きな音楽を流す。

 

そうすることで

ちょっとしたおむつ交換の時間が和やかな時間になったりする

 

介護している最中の自分の顔ってどんな顔しているか想像したことありますか?

もしかして忙しそうな、余裕のなさそうな顔をしているかもしれませんね。

 

自分が好きな音楽をかけてノリノリで介護したっていいと思うんだけどなあ。

 

でも、もしかすると

ヘルパーさんや訪問看護さんや訪問入浴さん、デイサービスの送迎の人たちが

部屋に入るし、あんまりにも自分の好きな環境にしちゃっても、何か思われるかもしれないしなあ…。

なんて思う方もいるかもしれませんね。

人の目って気になりますもんね。私もとても人の目を気にするタイプです。

だからきっと難しいんですよね。

 

でもきっと家に来るサービス事業所のスタッフたちは

あなたが介護を頑張っていることを知っていますよね。

 

日常を少しでも楽しくする工夫をしながら

介護を頑張っている姿を必ず認めてくれます。

 

介護者目線で、少しでも楽しくなるような日常の環境作り

積極的にしてほしいなあと思う。

そして私も看護師として提案していきたいと思う。

介護での使い捨て手袋を何とか節約する方法

 介護において、日々の節約はとっても大事ですよね。

特に「使い捨て手袋は値段が高い!」

そのような声はたくさんの訪問先で耳にします。

 

介護で使う手袋は

作業のしやすさから、ぴたっとした密着性の高いものを使用しているご家庭が多いと思います。

ゆるいビニルタイプの手袋だとすぐ外れたりしますし、訪問系のサービス事業所側からぴたっとしたタイプの手袋の準備を依頼されるケースもありますよね。

私たちの訪問看護ステーションでも、ぴたっとしたタイプの常備をお願いしています。

 

でもやっぱり値段が高い。

あたり前のように購入を家族に依頼している身でありながらも薬局で値段を確認して高いなあ、負担だろうなあと思い、複雑な気持ちになります。

おむつの次にコストがかかっているかもしれません。

 

値段は、薬局などではひと箱(100枚入り)で700円~800円程度します。

ネットでまとめて購入すると安いものが手に入ります。

しかし購入してみて使ってみると破れやすく、かえってすぐになくなってしまったという声もあります。安いものはそのぶん破れやすいなど耐久性に不安があることが多いです。

 

そして介護者世代の方でネットショッピングを駆使している方はまだ少数派です。

店舗で買う方が圧倒的に多いです。

 

さらに、値段が高いのに毎日使うのですぐなくなってしまいます。

訪問看護師が摘便(便を指で掻き出す)や浣腸をする、痰の吸引をする場合はもっと減りが激しいかもしれません。

実際のところ摘便は手袋を二重にさせていただいているし、確かに申し訳ないと思いながら、なるべく枚数を最小限にと考えながらも、ある程度の量は使っています。

 

そこでなんとか対策を取りましょう。

いくつか挙げます。

 

 

その1.処方を活用する

これは知らない方がまだまだ多いのですが、自宅で療養するために必要な衛生材料(手袋など)を薬と同じように処方として医師が出してくれる、というものです。

 

・衛生材料が包括されている在宅療養指導管理料等

・衛生材料等提供加算

など病院側が点数として加算していると処方が可能であったりします。

 

療養者さん本人についている病名や家でどのような医療的管理が必要であるか、などいろいろと処方に至るには条件が必要です。

条件に該当していれば、必要なぶんだけ定期受診日に内服薬と同様に処方してもらうことが可能です。

 

私が訪問している利用者さんにも、訪問看護師が週に2回浣腸と摘便のために訪問しているので、1.5か月に1回の定期受診時に、手袋1箱100枚入りを2箱処方されている方がいらっしゃいます。

他にも定期的に痰の吸引が必要な方には吸引で使うカテーテル(痰を吸うときに口に入れる管)に加えて手袋が処方されている方がいます。

 

 

一度かかっている医療機関の外来看護師や主治医に相談してみてはどうでしょうか。

医療系職種出身者のケアマネージャーや病院所属のケアマネージャー、私のように病院付属の訪問看護師も詳しいかもしれません。

 

 

 

その2.安い手袋も常備して、隣に置いておく

 用途に応じてぴたっとしたタイプの手袋とゆるいタイプの手袋を使い分ける癖をつける

という方法です。

これは介護者もですが、訪問するサービススタッフにも使い分けを実施する習慣を自然につけさせることがねらいです。

ゆるいタイプの手袋であれば100枚入りが100円均一などで安価に手に入ります。

おむつの交換や褥瘡(床ずれ)の処置にはぴたっとしたものを使用し

手先の細かい作業が必要ではない状況の時にはゆるいタイプの手袋を使用するように習慣づけましょう。

 

訪問先でぴたっとしたタイプの手袋のみきちんと常備してくださっているご家族はたくさんいらっしゃいます。しかしそうするとぴたっとしたタイプでなくてもよい場面でもその手袋を使うしかないので、少しもったいないなと思うことがあります。

 

前述のように2種類のタイプを並べておいてくださると

訪問看護師はコスト意識が高い人が多いので、必要な場合だけぴたっとしたタイプを使い、そうでない場合はゆるいタイプを使います。

 

そうした日々の積み重ねが手袋代を節約することにつながります。

 

 

その3.手袋を開封した日付を箱に書いておく

 これは心理作戦です。(笑)

訪問先で、手袋の箱に開封した日付が記載されているお家がありました。

私はこれを見て

 

コスト意識の高い家族だ!

減り具合をきっちり管理されている!より慎重に最低限の量を使わなくては!

 

という気持ちになりました。

普段から最小限の使用にとどめるよう努力をしていますが、

この方法は訪問したスタッフに、より心理的にそれを意識付けさせる効果があります。

私はこれは賢いなあと思いましたし、自分が介護者としてサービスを受ける側になったら実践しようと考えています。

 

 

いかがでしたでしょうか?

かなり個人的な意見での手袋節約方法でした。

また他にも良い方法が発見できたら追記していきます。

 

比較するとおもしろい。男性介護者と女性介護者の違い。

 「介護は嫁がする」

そんな時代はとっくの昔に過ぎ去り、

 

今は

息子 夫 妻 娘 姪や甥 孫

 

などなどさまざまな立場の家族が介護を担っています。

 

嫁が介護しているケースは年々減少しています。

世相を反映していますよね。

 

その一方で未婚男性が増えたので

未婚の息子が一人で介護なんて場合も少なくありません。

 

たくさんの介護者の方々と関わってきた中で、感じていることがあります。

それは性別によって介護の傾向が違うということです。

 

その違いが大変おもしろいと個人的に感じています。

私の主観ですが、書かせてもらいます。

 

 

 

女性介護者の傾向

同時進行型

気分転換が上手

介護手技は自分流に変化させ、うまく手を抜く

 

 

男性介護者の傾向

介護専念型

気分転換が苦手

介護手技は一度習得すると一貫して手は抜かず、極めるところまで上達する

 

 

一般的に、女性は家事も育児もこなし最近では仕事もこなす方も多く

たくさんのことを同時進行できる方が多いです。

介護にもこれが当てはまります。

介護の合間にちょこちょこ家事、買い物などを上手に日常生活に組み込みます。

さらには療養者さんがデイサービス利用中には仕事もしていらっしゃる方もいて

改めて女性の器用さに驚かされます。

そのようにさまざまなことをこなすので、合間に気分転換することや

友人とお茶して愚痴をこぼしたりして発散することを日常的に自然に実践できます。

介護手技においては、

大事なポイントさえ理解すれば自分流に手順や使用物品をアレンジして手を抜くところはうまく抜きます。便利な介護の代用品を探してきたり、金銭面を考慮した介護用品の選び方ができるのも女性の特徴です。

 

 

一方で男性は、

介護一本に集中するという傾向が強いです。

介護する世代の男性(50~70代)は最近の子育て世代とは違い

仕事に専念して家庭を支えてきた方が圧倒的に多いです。

そのためいろいろなことを同時進行するという生活を送ってきていません。

ですので、自分が主介護者になったという場合の方は

仕事も介護も同時にというわけではなく、介護を機に退職を選ぶということが多いです。

まさに介護が仕事に成り代わってしまうような印象です。

しかし男性は介護一本に集中している分、

日々の介護のスケジュールは緻密です。何時にこれをするというのが決まっています。

疑問に思えばすぐ調べたりして、極めていく能力に長けていると感じます。

しかしながら、気分転換という面では介護そのものを一人で抱え込む傾向にあったり

女性のようにベラベラと周囲に喋ったりしないので、発散が上手ではない欠点があります。

 

介護手技においては、女性よりも習得するのに時間がかかりますが、

ひとたび習得すると手順を省いたり、手を抜くようなことはありません。

最初に教わった「正しい」やり方をきちんと遵守します。看護師の私が見ていても

私がやるより断然上手!美しい!早い!ということもあって驚かされます。

 

他には、介護が仕事に成り代わっているので、自分の介護方法にプライドを持っており指導やアドバイスを受け入れにくい、柔軟性の低さも垣間見えます。

介護に慣れてきた男性介護者ほどノートに緻密に日々の記録をします。

便の状況、尿量、体温、食事や水分量など、項目分けも細かいです。

日々の介護を目に見える成果として残しておきたい傾向にあると思います。

そのおかげでちょっとした変化にすぐ気づけるという点では男性介護者は素晴らしいと思います。

 

 

 

以上が私の主観です。

 

男女の違いはおもしろいですね。

 

もちろん他にもさまざまな意見があります。

 

ただですね、

今まさに介護をなさっている方、身近に介護を頑張っている人がいる方、

ぜひ性別の違いを題材に自分自身や介護している人を客観的に見つめてみてはいかがでしょうか。

「自分にはこの傾向があると思っていたけど実は男の人ってみんなこうなんだなー。こういうもんなんだなー。」

なんて気づきがあったりするかもしれません。

 

自分を客観視すると

新たな発見や、もっとここを変えていくと日常の介護が楽になるかも!

という気づきがあるかもしれません。