訪問看護師まさこの介護全力応援日記

介護を少しでも楽に!をコンセプトに、介護に奮闘しているみなさまを一人で全力応援しています。

やってみると全然違う!介護での腰痛予防3つの具体策

 訪問看護師まさこです。

介護は腰が痛くなりますよね。

私も腰痛持ちですので本気で将来が心配です。

と言っていると説得力がありませんが、腰痛は日々の工夫で軽減できます。

そしてその工夫を習慣化させることが重要です。

簡単にできることから、グッズを使った方法まで紹介していきます。

 

 

その1.介護をする時は必ずベットの高さを上げる

 

まず前提として電動ベットを介護保険でレンタルしていることが必要です。(自費で購入されている方もいらっしゃいますね。)

介護量が多い人の場合は電動ベットはあったほうがよいですよ。

 

電動ベットの機能は「背上げ機能」「高さ調整機能」「膝上げ機能」があります。

ベットのモーター数によってどの機能が備わっているかは各々違います。

介護が必要な人の場合、少なくとも「高さ調整機能」が備わっているものをレンタルされている場合が多いでしょう。

 

ベットの傍らに立って介護をする際には必ずこの「高さ調整機能」を活用して高さを上げる習慣をつけてください。

 

私は身長160㎝です。ケアをする時にはベットはかなりの高さまで上げます。58㎝ぐらいまで上げるでしょうか。

感覚的にどのくらいの高さだと腰が楽かは個人差があります。いろいろ試してみてベストな高さを見つけてください。

 

そして大事なのが、高さを上げることを習慣化させるということです。

少し横を向かせるだけだから、低い位置でもいいや、と思って実施した

その1回がどんどん蓄積して腰を痛めます。(私はそれを痛感しています。)

 

とても基本的なことですが、大切ですよ。

 

追記ですが、電動ベットの種類によってベットが最高どの高さまで上がるかが違います。

特に男性介護者など背の高い方はケアマネージャーに腰痛予防のために高く上がるベットがいいと要望を伝えてみましょう。適したものを紹介してくれます。

 

 

その2.「ちょっと横向き」の時の動作を工夫する

 

 ベットの上での介護。

「ちょっと横を向いてすぐ戻す」という動作がけっこう多いですよね。

 

着替えをする時にもオムツを交換する時にも、

ちょっと右向いて、またちょっと左向いてという動作を何度も繰り返して実施します。座れる方であれば座ってしまえばいいんですけどね。

 

このように

少しだけ横を向いてすぐ戻す

という動作は1日の中でも回数が多いため

腰痛予防において、この動作を楽に実施することがとても大切です。

 

具体的な手順をまず紹介します。

 

「上向き(仰向き)→右向き」

介護者はベットの右側に立っています。療養者さんは仰向きです。

 ①左膝をしっかり立てる

 ②左膝小僧を介護者側にしっかり倒す→左の肩が浮いてくる

 ③浮いてきた左肩も介護者側に倒すと、あ~ら簡単に右向き

 

 

膝が股関節を軸に回転する力を利用しています。

 

ポイントは

・①でしっかり膝を立てること(回転する力が効果的に加わります)

・②でしっかり倒すこと

・②と③を同時にやらないこと(②がしっかりできると③がすぐそのあとについてくるイメージ)

 

うまく回転が加わると③はあまり力を入れる必要がなくなります。

介護者は②は右手③は左手でやってくださいね。

左側を向きたい時は①で右膝を立ててください。

 

 

この方法は、あくまでちょっとの間だけ横を向いてすぐ戻すという時に有効です。

 

しばらくの間、横を向いていて欲しい時は

①で両膝を立てましょう。

すると横向きが安定します。

 

横向きにするときに両膝を立てるのは一般的な介護の方法として伝わっていますが、

 

日常の介護においては、

「ちょっと横を向いてすぐ戻る」

という動作のほうが多いですよね。

そういう時にわざわざ毎回両膝を立てるのは大変ですので片方の膝だけ立てる方法は比較的楽です。

 

 

しかし実際のところ、関節が硬くなっていたり半身麻痺があったりすると、思うように曲げられないのも事実です。

 

ですので、そういう場合は

膝が回転する力を利用するという手順を意識して、ほんのわずかだけでいいので膝を曲げてください。曲げない場合とでは格段に違います。

ぜひ取り入れてみてください。

 

 

その3. スライディングシートを活用する

 

 ベットの上で寝た状態の療養者さんに、おむつ交換や着替えをしていると

終わったころには体全体が足側にずり下がってしまっていることがありますよね。

また、ベットの背上げ機能を使って座らせていたところ、同様に足側に下がってしまった

ということもあると思います。

 

そういう時に上に引き上げるという動作は

一人でやるとかなりの力が必要ですし、

ほとんど体を抱える形になるため特に腰に負担がかかります。

 

こんな時はぜひ「スライディングシート」を使ってください。

 

スライディングシートとは

シートの滑る力を利用して体を動かす介護便利グッズです。

 

具体的な使い方を簡単に説明します。

 

寝ている状態で

体をベット上方に引き上げたい場合

 

療養者さんを横向きにして

シートを体の下に敷きます。背中からお尻の下にかけてシートが当たるようにするとよいでしょう。

筒状になっているものなら

輪が側面になるように敷いてください。

そのあと療養者さんを反対の横向きにして、シートの端を引っ張ってしっかり体の下に敷きましょう。

 

そのあと、介護をする方はベットの頭側に移動します。

脇など抱えやすい位置を左右両手で持って

上に引き上げます。

スライディングシートの滑る力により

簡単に引き上げることができます。

 

この時の注意点ですが、

ベットを平らにしておくことが必要です。

ベットの背上げ機能を使って頭側を上げていると

引き上げる時に力が必要になってしまうことに加え、引き上げてもすぐまた足側にずり下がってしまいます。

 

 

体を引き上げたら、シートを抜きます。

シートを敷いた時の要領で左右に向いてシートを除去します。

 

 

 

 スライディングシートは

筒状になっているものや一枚のシート状になっているものなど種類は多様です。

またベット上で使用するタイプもあれば車いす上で使用するものなどもあります。 

 

 

普段、私は訪問看護師としてたくさんのお家に訪問させていただいていますが、

寝たきりの療養者さんの介護を頑張っていらっしゃる方の多くが

スライディングシートを活用しています。

家によってさまざまなものが置いてありますが、

私がおすすめしたいものはこれです。

 

 

移座えもんシート BLACK Mサイズ

 

移座えもんシート BLACK MLサイズ

 

名前がなんともユニークですよね。

このシート、「滑り」が素晴らしいんです。

とてもよく滑りますので、少しの力でも体を動かすことができます。

ですので腰もかなり楽です。 

個人的にですが、スライディングシートの機能性(滑りやすさ)は値段に比例していると思います。

 

前述した通り、たくさんの訪問先で様々な種類のスライディングシートを使用していますが

 

この 移座えもんシート シリーズが秀逸です。

 初めて使用した時に、この滑りやすさは何だ!?と驚きました。

 

調べると他のものより少しだけ値段設定は高めですね。

 

しかし一枚買えばずっと使えます。

毎日の介護負担を軽減し、

介護する方の体を守るには

機能性が高いものを使って欲しいと思います。

 

 

ぜひ、検討してみてください。

 

療養者さんの体格に応じてサイズは見極めてくださいね。

 

 

移座えもんシート BLACK Mサイズ

移座えもんシート BLACK Mサイズ

 

 

移座えもんシート BLACK MLサイズ

移座えもんシート BLACK MLサイズ

 

 

移座えもんシート BLACK Lサイズ

移座えもんシート BLACK Lサイズ

 

 

 

 

おすすめ介護便利グッズ ~リードってやっぱり便利だな♪~

 訪問看護師まさこです。

ここでは、おススメ介護便利グッズをご紹介します。ぜひ参考になさってください。

 

それは「リード クッキングペーパー」です。

薬局のキッチン用品コーナーで売っているあのリードです。落し蓋として煮物の調理時などに使えるあのリードです。

思いっきり商品名で失礼に当たらないか心配ですが紹介します。

 

昔は「♪リーードって便利だなっ」というCMが流れていましたよね。

そうなんです。本当に便利なんです。

 

リードをどう使うか。

それは、陰部洗浄時のタオル代わりに使うことです。

 

陰部洗浄は一日一回は必ずしますよね。

その際にお湯で洗浄したあと、普通のタオルで拭き取る方も多いですが、

タオルだとその後の洗濯が結構手間です。うっかり便が付着したりすると手洗いをしたり、ほかのものと分けて洗濯する必要が出てきたりします。

タオルに「下」と書いてしっかり下用のタオルとして分けている介護者さんは多く、大変だろうなと感じます。

 

でもリードにすれば、使い捨てです。

それに安い。

 

じゃあティッシュや他のキッチンペーパーでも良いのでは?むしろそっちのほうが安いのでは?

と思いましたね?

 

リードは水分を吸水した際の吸水量と耐久性が抜群です。

ティッシュで陰部洗浄後の水分を拭き取ると、かなりの枚数が必要で、

しかも一部がへたって破れて皮膚にくっついたりします。キッチンペーパーでも同様です。

リードはへたりにくく、破れません。

値段は一見するとティッシュやキッチンペーパーより高いですが、リードだと一回の使用量を抑えることができるため、結果的に経済的です。 

 

そして他のキッチンペーパーに比べて格段に柔らかく肌あたりがソフトなのです。

そこがとっても大切!

デリケートな陰部に触れるものだから、肌触りは優しいものでなくてはいけません。

 

値段

介護の効率化

手に入れやすさ

機能性

肌への優しさ

 

総合的に判断するとリードは優秀です。

 

また、陰部以外の洗浄時にも使えるので常備しておくと損はないでしょう。

 

ちなみに私たち訪問看護師は、

特にストーマ人工肛門)管理をしている方にもリードをおすすめしています。

 

ストマ装具を交換するときに、ストマそのもの(お腹から出ている腸)に付着している便を拭き取ったり、交換中に出てきた便を拭き取ったりする必要が出てきます。

その時にこそ、優しい肌あたりのリードが適しています。

腸は粘膜です。デリケートです。少しの刺激で傷ついたり出血したりして、ストーマトラブルにつながりかねませんから。

 

 

ぜひ活用してみてください。

↓ 箱タイプなら置いておくだけで使いやすい

リード ヘルシークッキングペーパー レギュラー 40枚

 

↓ 詰め替え用で買うなら穴に紐を通して吊り下げておくと使いやすい

リード ヘルシークッキングペーパー 38枚×2ロール入

 

 

使いやすい大きさにあらかじめカットしておくのも良い方法です。

ストーマ管理で使う方は一枚を四分の一サイズにカットしていますよ。

 

それぞれの家庭で、使いやすい方法を工夫して取り入れてみてください。

 

訪問看護師が本当に伝えたい、介護が楽になる3つの心得

 介護は終わりが見えません。

いつまで続くのだろうという気持ちになることもあるかもしれません。

 

介護がこれから始まる人、長年続けて来た人、家族の介護疲れが気になる人、

これから挙げる3つのことを少しだけ参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

1、情報共有しやすい環境を整える

 自宅で介護をしている場合、多くの人が介護保険でさまざまなサービスを利用していると思います。ヘルパー、訪問入浴、訪問看護、デイサービス、ショートステイ…などなどたくさんのサービスがあります。

 

たくさんのサービスを利用することで介護も格段に楽になりますし、たくさんのプロフェッショナルが関わるので心強いですよね。

でも困るのが情報共有の手間。

 

尿や便は出たか、食事量はどうか、熱はあるのかないのか、水分はどれだけ摂っているのか、昨日の受診結果はどうだったか、

などといった質問をいろいろな場所、いろいろな人に聞かれます。

 

みんな情報が欲しいので仕方ないのですが、

 

同じこと何回も聞かれると、だんだん疲れてきますよね。

 

これを回避しましょう。

 

そのために活用するのが壁掛け用のカレンダーです。

ひと月ごとにめくるタイプで数字の下に少しだけ文字を書くスペースがあるものだと良いでしょう。

 

日付の下に、下記の要領でその日のことを書きます。簡単な数字や記号で書くことがポイントです。

 

排尿があれば正の字で記録

排便があれば〇や◎で

下剤を使ったのであれば「ゲ」と書くなど

熱が出たとき、発疹が出たときなど、変化があったときも記入しておくとよいでしょう。

 

記号や決まりごとは自由に決めてください。

 

看護師やヘルパーによく聞かれる事項に絞って書いても良いでしょう。

オリジナルのマークを作ってもおもしろいかもしれません。

 

尿の管が入っている人は尿量を書いていました。

便の量を観察する必要がある人は便の量を〇の大きさで表現していました。

大きな〇が濃い字でついていたりするとクスッと笑えてしまいます。

 

 

介護ノートなどをきちっと作って記録していく人もいますが

カレンダーをおすすめします。

なぜなら書くスペースが限られているため、簡単に必要な情報だけ書く習慣がつき、

それが結果的に日々の負担軽減につながるからです。

 

また、一目で多くのスタッフに情報を知ってもらうことができます。

スタッフが訪問したタイミングで介護者が不在でも問題なく情報が伝わります。

 

 

さらにカレンダーだと一ヶ月間の経過全体を見られるので

1週間前、2週間前との違いなどが評価しやすいのです。

それは体調不良の早期発見にもつながります。

 

そして受診の時にはそのカレンダーをスマホで撮影しておけば良いのです。主治医や看護師から最近の様子を聞かれた時に撮影したカレンダーの画像を参考にすれば、一週間、数週間、一ヶ月単位での経過を伝えやすくなります。

 

 

ぜひ、試してみてくださいね。

 

 

2、「泊り」のサービスを「定期的に」利用する

 

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