介護を頑張っている家族の方。「申し訳ない」という気持ちにならなくていいんです。
介護をされているみなさんは、ご家族の介護に関して、サービススタッフに「申し訳ないなあ…。」という気持ちを抱いたり、「申し訳ないね。」「ごめんね。」という言葉をかけたりした経験がありますか?
日頃、浣腸や摘便(肛門から指を入れて便を掻き出す行為)、陰部洗浄、ストーマ装具(人工肛門の装具)の交換などなど
訪問看護師は排泄に関連した手技を行うことがとても多いです。
特に浣腸と摘便は医療行為にあたるので
訪問看護への浣腸摘便のニーズは高いです。
そして排泄のことなので、
「こんな汚いことさして悪いなあ」
「汚いことなのに、ごめんね。」
このような言葉を介護者の方からよくかけられます。
週2回 定期的に訪問していて、
毎回浣腸摘便を実施することが日常になっている方でも、そのような言葉をいつもかけてくださいます。
一方で看護師は
排泄に関するケアは日常的な業務ですので、
一般的にみなさんが考えるよりも
そんなに苦にしていない場合が多いのです。
むしろ、訪問看護師は摘便のスキルが高い人が多いので
「私の手にかかればどんな便もしっかり出してあげるわよ!」
ぐらいに思っている人が多いと思います。
かくゆうわたくしも、浣腸と摘便の手技には自信を持っております。笑
プライドを持っているといっても良いくらいです。
そして排泄こそ人間にとってなくてはならない大事な行為です。
それを支えているのは自分だという自負が訪問看護師にはあります。
他の職種のサービススタッフの方々も同じではないでしょうか。
自分たちの専門分野に自信と誇りを持って、利用者さんとその家族に接しています。
この記事で何が伝えたいかといいますと。
介護に携わる仕事は、大変なこと、汚いことが多いなどと思われがちです。
でもそれに携わる私たちは、実質的なケアの大変さ、汚いことが多くて大変でどうこうとかの問題ではなく、
利用者さん本人の生活全体を支えたい、生活全体の質を高めたいという気持ちで携わっているのです。
それを実現するための実際的なケアの中の一つが大変だったり汚いものだったりするだけで、それだけを大げさに気にする必要は全くありません。
みなさんに介入しているサービススタッフは、さまざまなケアを実施することを
そんなに大変なことと思っていません。
プロですから、慣れています。仕事ですから、当然です。
自分の身内ではありませんから、精神的な負担はありません。
家族のような繋がりやしがらみはありませんので、ケアを遂行することに集中でき、専門技術を活用して完璧にこなすことができます。
だからこそ、任せたほうがよいのです。
精神的にも任せましょう。
介護力があるご家族は自分たちでいろいろとやれてしまうので、できるならやらなくては、
と思いがちですね。
そうではないんです。
申し訳ないという言葉の背景には、「こんな大変なこと(排泄のケアなど)、本当は家族である自分がやらなくちゃいけないのになあ…。」という思いがあるのではないでしょうか?
「自分たち家族がやらなくていけないという考えを捨てる」
これはこの記事にも私が書いていますが、↓
kaigozenryoku-masako.hatenadiary.com
私が介護者のみなさまに声を大にして言いたいことの一つです。
関わっているサービススタッフは、申し訳なさを表現されるよりも
気持ちよく任せてもらえたほうがうれしいです。
プロとして信頼されているなと思うし、なおさら期待に応えなきゃという気持ちにもなり、やる気が出ますよ。
冒頭に取り上げている浣腸摘便の場合ですと、
私なら「今日もどっさりよろしくね!期待してるよ!」ぐらいの言葉のほうが
やる気が湧いてきます。
どうか、どーんとスタッフに任せる姿勢を持ってください。
「申し訳ないね」という言葉は不要です。