訪問看護師まさこの介護全力応援日記

介護を少しでも楽に!をコンセプトに、介護に奮闘しているみなさまを一人で全力応援しています。

排便を「コントロール」するという考え方

  介護を頑張っているみなさま、療養者さんが便秘や下痢だととても心配になりますよね。

排便状態は健康状態を示すバロメーターのようなものだと私は思っています。

 

とにかく自然に便が出ること

 

それってとても大事。確かに大事。

 

でもでも自然に任せていると…

 

「軟らかめの良い便が毎日数回少しずつ出ています。オムツの交換が頻繁で大変だけど

、自然に出るのが一番なんでしょう?

だから、まあ、こんなもんかと思ってやってます。」

 

こんな声、私はよく聞きます。

あなたもそう思っていませんか?

 

そんなことないんですよ。

排便はですね「コントロール」するものなんです。

そもそも自然に出るのが良い

というのは普通に日中活動しているような人たちに当てはまることです。

 

介護が必要な方たちは

活動量が十分ではないので

腸の動きが活発ではないことが多いです。

また、筋力も落ちているので

便を出すときにいきむ力が十分ではないことが多いです。

 

そのような理由から、

便をスッキリまとめて出すことができず、

まるで ところてんのように

後ろから押し出されて少しずつ少しずつ出る

 

あるいは便秘

 

そういった状況になってしまいがちです。

 

 

ですので、便をすっきりある程度まとめて出すために「コントロール」してあげることが大切です。

また、コントロールすることで介護する側も頻繁な便の処理に悩まされることがなくなります。

 

では具体的に「コントロール」するとはどういうことか?

 

それは意図的にまとめて出す日を作る、ということです。

 

利用している介護保険サービスはありますか?

たとえば、デイサービスを週に2回(月、木曜日)利用している場合。

デイサービス利用中に排便があるように下剤で調整をしましょう。

下剤をお持ちであれば、効果が出る時間を考慮してデイサービスに行く前に使用します。あるいは、デイサービス利用中に下剤の座薬を使用してもらうといった依頼をしましょう。

 

他にも訪問看護を利用している場合は、訪問の時に浣腸と摘便(指で便を掻き出す)で出してもらう方法があります。

 

ヘルパーさんを利用している場合は、ヘルパーさんが来る時間帯に合わせて効果が出るように下剤をあらかじめ使用するとよいでしょう。

この方法は下剤の効果時間を把握するために苦労するかもしれませんが、何度か続けるうちに効果が出てくる時間がわかってきます。少し根気が要りますがやってみてください。

 

 このように、排便を意図的にすることで、定期的にまとめて便を出せるので、日に何度もダラダラと出ることを防げます。すると介護の手間も減ります。さらに、お尻に便が付着している時間が長いと皮膚トラブルのもとになるため、それも防げます。また、排便がすっきりあることでお腹のスッキリ感を得られ、食欲が改善されることもあります。排便を「コントロール」することはメリットが多いんです。

 

注意点ですが、これまで述べた提案は前提として、下剤や浣腸などいろいろと薬剤が処方されている必要があります。まずは排便習慣について主治医に相談しましょう。現状の排便状況を具体的に伝えると、適切な下剤や浣腸、あるいは整腸剤や軟下剤が処方されるでしょう。

下剤や浣腸は市販もされています。ですが、リスクが大きいです。

体の状態や疾患に合ったものを使用しないと思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。ですので、きちんと医師から処方してもらいましょう。

 

 

 

介護の大変さやどこまで効率化したいか、といったことも踏まえて

よければ実践してみてください。