尿の管を自宅でストレスなく管理するコツ(膀胱留置カテーテル)
最近では尿の管(膀胱留置カテーテル)を入れたまま自宅で生活を送る方、たくさんいらっしゃいますよね。
介護者の方の中には「今回の入院中から尿の管が入っちゃって…。管理していけるか心配なんです。」という声をよく聞きます。
確かに尿の管が入って、それが体につながっていて生活しなくちゃいけないなんて
家でできるのかな…と不安になるのは当然だと思います。
そこで、尿の管(膀胱留置カテーテル)を自宅で管理するときのコツを私なりの視点でお伝えします。
- 1、尿の管が入ったことで介護が楽になる!?
- 2、難しく考えず、管理のポイント①~③をおさえる
- 3、管が詰まるときは何をしても詰まる!あなたのせいではない
- 4、管が入っている生活に少し遊び心を取り入れる
1、尿の管が入ったことで介護が楽になる!?
尿の管が入っていると、こんな仰々しいもの家で管理しろなんてとんでもないって思うかもしれません。でも、管理のポイントさえつかめば、介護が今までより楽になった!ラッキー!とさえ思えますよ。管が入ってしまったことは仕方ないので、前向きに考えるようにしましょう。
よく考えると良い点がたくさんあるんですよ。
・おむつ交換をしなくてよい。(便は別ですよ)
・それに伴っておむつかぶれの心配も減る。
・どれだけ尿が出ているか把握しやすくなる。
・尿の色で脱水なのかどうか、水分が足りているのか判断しやすくなる。
とくに一番最初の「おむつ交換をしなくてよい。」が一番大きな利点ですよね。
おむつから尿が漏れてシーツまでぐっしょり…なんて心配ももうありません。
2、難しく考えず、管理のポイント①~③をおさえる
管を管理するうえで大切なことはいろいろあるのですが、本当に大切なポイント3つに絞りました。
難しく考えず、以下の①~③を実践してみてください。
①逆流させない
おしっこが管を通って膀胱に逆流してしまうと、菌が体に入り込んでしまいます。
防ぐコツは簡単です。尿が溜まるパックを常に膀胱より下になるようにしましょう。
寝ているときも、車いすに座っているときもです。習慣化させていきましょう。
②水分をたくさん摂る
使っているうちに尿の管の内側に、尿に含まれるいろいろな成分が付着して
どんどん内径が狭くなり、管が詰まりやすくなってしまいます。防ぐことはとにかく水分をたくさん摂って、尿をサラサラにしてどんどん体の外へ出してあげることです。
疾患によっては医師から一日に摂ってよい水分の量が決められていることがあるため、その場合は「尿の管が入っているから、水分を多めに摂ったほうがいいみたいだけど、どの程度飲んだらよいか?」と医師に相談しましょう。
③時々管をしごく
たくさん水分を摂っていても、自然な尿の流出の勢いだけでは、尿の内側に付着したいろいろな成分を流しきることができず、結局管が詰まりかけてしまうことがよくあります。これを防ぐために、管をしごく習慣をつけることをおススメします。
具体的な方法は
透明な管の部分を両手でにぎにぎするようにしてもよいですし、指にまきつけてぐにぐにとする(手縫いの糸をしごくようなイメージ)でもよいでしょう。
製品にもよりますが、管は冬場に固くなりがちです。冬は特に管の柔軟性が失われているのでしごく習慣が大切です。
しょっちゅう管をしごくクセをつけておくと、管が詰まることを予防できます。
3、管が詰まるときは何をしても詰まる!あなたのせいではない
尿の管が詰まらないように、トラブルが起きないようにといろいろ書いてきましたが、
実はやれることを全部きちっとやっていても、管が詰まってしまうことはあるんです。
特に私の印象だと、季節の変わり目に管が詰まりやすくなると感じています。
尿の成分は体調や環境などさまざまな要因で変化します。
また、尿の色や浮遊物の量、性状は本当に千差万別です。同じような対策をしていても、詰まりやすい人、詰まりにくい人、と差があります。不思議なものですね。
ですので、できる限りのことをしていても詰まることはあります。
まれではなく、よくあります。
ですので、自分を責める必要は全くありません。
詰まったなと思ったら、訪問看護師か、病院の外来に連絡して交換してもらいましょう。
4、管が入っている生活に少し遊び心を取り入れる
入院中だけ一時的に管が入り退院間際には抜くというケースは多いのですが、
退院間際にも抜けず、その後在宅生活に移行する場合、これから先どこかのタイミングで抜くことができる方はとても少ないです。
管が入っている生活になってしまった…これから先も抜けないのか…。
不安でいっぱいですよね。
でも1~3でお伝えした内容を参考にしてください。
そして、尿の管とともに生活するのだから少しでも楽しくなるよう工夫してみましょう。
尿の管がついていると、つい外出が億劫になりますよね。人目が気になりますよね。
そこで、尿が溜まるパックを目隠しするカバーを使ってみましょう。
パックのサイズに合わせて手作りされる方
100均で売っている、小さめのエコバッグや、洗濯用ネットを活用する方
袈裟懸けのバッグを活用する方
など様々な方がいらっしゃいます。
尿の管も,もはや体の一部です。
服を楽しむように、尿の管のカバーで個性を出してみるのは
素敵なことだと思います。
以上が尿の管を自宅でストレスなく管理するコツでした。
参考になれば幸いです。