訪問看護師まさこの介護全力応援日記

介護を少しでも楽に!をコンセプトに、介護に奮闘しているみなさまを一人で全力応援しています。

定期受診に行くのが大変…。そんな時の工夫

 移動や移乗に介助が必要な家族を、病院に連れて行くのってすごく大変ですよね。介護度が高ければ高いほど至難の技…。

 

朝早くから準備して、食事を済ませて着替えさせ、出発間際におむつの交換、などなど

いろいろと急いで段取りをして、

自家用車になんとか乗り込んでやっと病院に到着。

診察券を通したころには、だいぶ後ろのほうの番号で、ここからの診察待ち時間が長いこと長いこと…。

診察そのものは5分程度で済むのにそれから薬の処方を待って、会計を待って、

ようやく帰宅した頃にはとっくに昼も済んで夕方に差し掛かっている…。

 

本当に大変でとても疲れるという声をたくさん耳にします。

 

これはなんとかならないものか。

これに対して、 

私が考える対処法は大きく分けて二つあります。

 

①受診行動という外出そのものの頻度を少なくする方法

②受診行動の大変さを軽減する方法

です。

 

それぞれについて提案していきますね。

 

 

①受診行動という外出そのものの頻度を少なくする方法

 

①-1、受診している科の診察曜日や受診頻度を揃えて、病院に行く回数を減らす

 

高齢の方だと、複数の科を受診している場合が多いですよね。

内科、整形外科、泌尿器科、ついでに今月は皮膚科もかかろうかな…

なんてよくありますよね。

そして科によって受診する曜日や受診頻度が違うということがよくあると思います。

それを思い切って揃えるという方法です。

 

揃えるといってもどういうふうに考えていいか難しいと思いますので、

具体的な決め方をお伝えします。

以下の基準でどの科の曜日や頻度に揃えるか考えてみてください。

 

・主病名は何か?それは何科か?

・かかっているのが専門の科で主治医がその曜日にしかいないという科はどれか?

・日常生活で一番気がかりの症状は何科の症状か?

・絶対に大事と言われている内服薬は何科のものか?

・一番信頼できる、話しやすい医師は何科の先生か?

 

これらの判断基準で考えて

この科の曜日や頻度に揃えよう‼

と思ったら

その他の各科を受診した際に、医師に

「受診に来るのが大変なので◯◯科と受診曜日や頻度を合わせたいと考えている。先生の意見を聞きたい。」

という旨を伝えてみましょう。

対応可能ならそのように、

対応が難しいならその理由の説明があると思います。

 

曜日が変わることで担当医師が変わってしまうことがよくありますが、

受診に来る大変さと天秤にかけて

妥協できるのであれば妥協しちゃいましょう。

 

また、けっこうあるのが

科によって行く病院が違うというケース。

これも思いきって揃えられるなら一つの病院にしてしまいましょう。

 

しかし揃えるのが難しいケースもあります。

たとえば

かかりつけの近所の整形外科で数十年前から関節の痛み止めの飲み薬&関節の注射もしてもらっていて

数年前に発症した血液内科疾患で大学病院に月に一度かかっており、専門的な治療薬をもらっている

なんて場合です。

 

この場合は双方に合わせる余地がないほど畑違いなので

現実的には合わせられませんよね。

 

こういったことも多くあると思いますので、

個々の受診状況で考えてみてくださいね。

 

 

①-2、「訪問診療」に切り変えて受診行動そのものをなくす方法

 

 医師が自宅に診察に来てくれる

「訪問診療」というものが存在します。

大学病院や急性期病院で対応していることは少なく、

主に中規模病院や個人医院、いわゆる町医者などが対応しているかと思います。

 

まず、かかっている病院が「訪問診療」というものをやっているのか確認しましょう。

そしてやっているなら、医師に通院が困難になってきた旨を相談してみましょう。

「訪問診療」をお願いできないか相談してみましょう。言いにくければまず外来看護師に相談してもよいでしょう。

 

なお、病院それぞれで「訪問診療」の対象となる条件が決まっています。

病院側で検討のうえ返答が来るでしょう。

 

しかし注意しておきたいことがあります。

「訪問診療」は、やっているけど

「往診」は、やっていない

というケースがあることです。

双方の違いを簡単に説明しますと、

 

「訪問診療」→あらかじめ予定して定期的に医師が診察に行くこと

「往診」→本人、家族の要請に応じて緊急的に医師が診察に行くこと

 

私が属している中規模病院はまさにこれに該当します。

「訪問診療」はやっているけど「往診」はしていないのです。

それを家族に伝えると「来てほしい時に来てくれないなら意味がないなあ。」

といって両方とも対応してくれる地域の個人病院を紹介したこともあります。

 

他にも考慮しておいてもらいたいのは、

先生が訪問診療してくれたあと、処方薬を薬局にもらいに行かなくてはならないということ。

訪問診療費や交通費として別途お金がかかること。

 

などです。

 

個々の状況で考えてみてくださいね。

 

②受診行動の大変さを軽減する方法

 

 受診に行くときにはなんといっても移乗や移動が大変ですよね。

それを少しでも楽にする方法が2パターンがあります。

 

1つは、受診時の朝、ヘルパーさんに身体介護としてサービスに入ってもらう方法です。ベットから車椅子への移乗を手伝ってもらうことがメインです。時間に余裕があれば多少の身支度は手伝ってもらえるかもしれません。

これについてはまずケアマネージャーさんに相談してみましょう。

 

2つ目は、自治体の「福祉車両の貸し出し」という事業を活用することです。

自治体の広報誌や回覧板などでこのような事業の案内を見かけたことはありませんか?

福祉車両とは車いすのまま乗り降りできる車両のことです。

自家用車だと車いすから座席に移乗するのがとても大変な場合は、役立ちますよ。

 

一回につき貸し出し料金がかかることもあれば無料のこともあります。

あらかじめ受診日がわかっている場合は事前に電話で予約しておくとよいでしょう。

自治体によってどのようなしくみで貸し出しを行っているかは違うので

一度問い合わせてみることをお勧めします。

 

 

 

以上が少しでも受診の負担を軽くするための工夫でした。

またいろいろと学んだり、思いついたら追記していきますね。