比較するとおもしろい。男性介護者と女性介護者の違い。
「介護は嫁がする」
そんな時代はとっくの昔に過ぎ去り、
今は
息子 夫 妻 娘 姪や甥 孫
などなどさまざまな立場の家族が介護を担っています。
嫁が介護しているケースは年々減少しています。
世相を反映していますよね。
その一方で未婚男性が増えたので
未婚の息子が一人で介護なんて場合も少なくありません。
たくさんの介護者の方々と関わってきた中で、感じていることがあります。
それは性別によって介護の傾向が違うということです。
その違いが大変おもしろいと個人的に感じています。
私の主観ですが、書かせてもらいます。
女性介護者の傾向
同時進行型
気分転換が上手
介護手技は自分流に変化させ、うまく手を抜く
男性介護者の傾向
介護専念型
気分転換が苦手
介護手技は一度習得すると一貫して手は抜かず、極めるところまで上達する
一般的に、女性は家事も育児もこなし最近では仕事もこなす方も多く
たくさんのことを同時進行できる方が多いです。
介護にもこれが当てはまります。
介護の合間にちょこちょこ家事、買い物などを上手に日常生活に組み込みます。
さらには療養者さんがデイサービス利用中には仕事もしていらっしゃる方もいて
改めて女性の器用さに驚かされます。
そのようにさまざまなことをこなすので、合間に気分転換することや
友人とお茶して愚痴をこぼしたりして発散することを日常的に自然に実践できます。
介護手技においては、
大事なポイントさえ理解すれば自分流に手順や使用物品をアレンジして手を抜くところはうまく抜きます。便利な介護の代用品を探してきたり、金銭面を考慮した介護用品の選び方ができるのも女性の特徴です。
一方で男性は、
介護一本に集中するという傾向が強いです。
介護する世代の男性(50~70代)は最近の子育て世代とは違い
仕事に専念して家庭を支えてきた方が圧倒的に多いです。
そのためいろいろなことを同時進行するという生活を送ってきていません。
ですので、自分が主介護者になったという場合の方は
仕事も介護も同時にというわけではなく、介護を機に退職を選ぶということが多いです。
まさに介護が仕事に成り代わってしまうような印象です。
しかし男性は介護一本に集中している分、
日々の介護のスケジュールは緻密です。何時にこれをするというのが決まっています。
疑問に思えばすぐ調べたりして、極めていく能力に長けていると感じます。
しかしながら、気分転換という面では介護そのものを一人で抱え込む傾向にあったり
女性のようにベラベラと周囲に喋ったりしないので、発散が上手ではない欠点があります。
介護手技においては、女性よりも習得するのに時間がかかりますが、
ひとたび習得すると手順を省いたり、手を抜くようなことはありません。
最初に教わった「正しい」やり方をきちんと遵守します。看護師の私が見ていても
私がやるより断然上手!美しい!早い!ということもあって驚かされます。
他には、介護が仕事に成り代わっているので、自分の介護方法にプライドを持っており指導やアドバイスを受け入れにくい、柔軟性の低さも垣間見えます。
介護に慣れてきた男性介護者ほどノートに緻密に日々の記録をします。
便の状況、尿量、体温、食事や水分量など、項目分けも細かいです。
日々の介護を目に見える成果として残しておきたい傾向にあると思います。
そのおかげでちょっとした変化にすぐ気づけるという点では男性介護者は素晴らしいと思います。
以上が私の主観です。
男女の違いはおもしろいですね。
もちろん他にもさまざまな意見があります。
ただですね、
今まさに介護をなさっている方、身近に介護を頑張っている人がいる方、
ぜひ性別の違いを題材に自分自身や介護している人を客観的に見つめてみてはいかがでしょうか。
「自分にはこの傾向があると思っていたけど実は男の人ってみんなこうなんだなー。こういうもんなんだなー。」
なんて気づきがあったりするかもしれません。
自分を客観視すると
新たな発見や、もっとここを変えていくと日常の介護が楽になるかも!
という気づきがあるかもしれません。